他人はあなたの仕事のどこを見ているのでしょうか。
世の中の大半の仕事は、誰かとの関わりや活動で行われます。さらに言えば、その関わりや活動は、何らかの評価をされていることでしょう。あなたの所属する企業が販売・提供する製品やサービスであれば、消費者、取引先、上司や同僚といった直接的な関係者などが挙げられます。さらに広げれば、企業イメージなど間接的にその企業を知る人なども含めれば基本的には、思っているよりも多くの人たちの評価にさらされています。
ここでは、オフィスワーカーにおける、社外の取引先、社内の上司や同僚といった直接的に関わる人からの評価について書いていきます。これらの人たちは、あなたの仕事に対して、どんなことを求めているのでしょうか。評価の対象をアウトプットという言葉に集約をすると、以下のような分類ができます。
作る:資料やプログラム、製品などを作る
話す:プレゼンや社内会議などで誰かに話す
行動する:営業・販売活動など。最近だと対外発信するというのも。
最近、”アウトプット志向”などアウトプットの重要性、多面的な要素について扱ったブログや記事を見かけることが多くなりました。また、アウトプットを増やすことが成果への近道といった論調も見かけることが増えた気がします。
残念ながら、アウトプットの量を増やすこと=成果が上がることではありません。例えば、資料を作る仕事をQCD(品質/コスト/納期)で考えると、相手が考える最低レベルの品質、コスト、納期で提出するだけでは、取引先からの信頼や評価を得る、上司や同僚の仕事の効率や品質が上がるケースは少ないでしょう。そのため、品質/コスト/納期のどれかを工夫していくことが必要となります。私自身としては、品質対策として、資料内容を効率的に理解・浸透させることに注力してきました。例えば以下のような取り組みです。
・全体像を書く(関係性、関係者との構造、優先順位など)
・目的や目標をシンプルに表現する(KPI、定量表現など)
・考えていることの構造化・イメージ図化、明文化する
しばらくたって、資料がどのように浸透・理解されているのかを振り返ってみると、うまくいかない時にあることに気づきました。それは、私に対する信頼感がないというケースです。特に、以下の部分を見られているように気づきました。
・自分が責任を持つ、本気で取り組む姿勢
・うまくいかなくても、苦しくてもあきらめずにやる姿勢
・不要に非効率な考え・活動をしない姿勢
これらって、能力やスキルでなく、どのように仕事に取り組んでいるかという「姿勢」のことを指しています。結局、アウトプットでなくて、私自身を見られているんだということに気づいたのです。 このような中で、読んだのが西川善文「仕事と人生」です。
西川氏は、三井住友銀行の元頭取で、”ラストバンカー”とも呼ばれる人(同名の書籍あり)で、バブル崩壊や不良債権処理など、日本の金融界の苦しい状況に向き合い、対処をしてきた人物であることが伺い知れます。シンプルな言葉で書かれていますが、実体験を交えた「姿勢」は参考になります。